二日市不動産のほっこりコラム「土地の価格について(後編)」

おはようございます。木村です。

前回の「土地の価格について(前編)」から随分時間が空いてしまいましたが、今回は実際に取引される地価(実勢価格)はどのように決められているかをお話します。

まず伝統的に使われている売却査定方法として、「近所の土地がいくらで売れたか(成約事例)を調べ、類推して求める」という方法で、「取引事例比較法」と言われています。当社のエリアも含め、地方の大半はこの方法で地価が査定されていると思います。

他の査定方法として、「貸したらどれくらいの賃料をもらえるか考え、不動産運用の利回りから計算する」方法で、都市部など住宅やオフィスビルを貸して利益が出やすい地域で使われる「収益還元法」があります。

不動産鑑定士の人にも話を聞いたことがありますが、「色々な方法で求める市場価格は論理的には一致するはずだが、現実にはそうはいかない。同じ土地について2人の不動産鑑定士が調査すると、ぴったり一致することは皆無に近い。」と話していました。

駅からの距離や地形、日当り、高低差、接道状況、近隣の問題など、全く同じ条件の土地は二つとありませんし、当然ながら、最終的には土地所有者が金額を決定しますので、早く売りたければ安くなることもありますし、高くてもどうしても買いたい人もいるでしょう。つまり、多くの人が同じ銘柄を売買する株式等と違い、1つの土地を買えるのは1組の買手に限られ、一対一の交渉で価格が決まります。

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前回のコラムの土地の一物四価(基準地価を含めると五価)について述べましたが、上記のように同じ土地が二つとないからこそ、何種類もある地価が売買の際役立つのかもしれません。

昨今は宅建協会の業者専用サイトの成約事例検索や地価マップ等があり、パソコン上でどのような業者でも簡単に成約事例を入手出来る時代になりましたが、パソコンが不動産業界で普及してきたのはこの10数年程度です。当社におきましては、会長の時からの30年以上の過去の売買データがあります。やはり土地は地元の業者が活きた情報と相場勘を持っていると言えるでしょう。私は時代が変わってもそういったアナログな感覚を今後も大事にしていきたいと思っております。